「Medical Code」で収益を伸ばすためのより深い分析
企業・団体名 | 苫小牧市立病院 |
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所在地 | 〒053-8567 北海道苫小牧市清水町1丁目5番20号 |
経営形態 | 自治体 |
病床数 | 382床 |
URL | http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/cityhp/ |
導入製品:Medical Code
導入の背景
当院は、医師不足、看護師不足による病棟閉鎖、手術件数の減少による収益の減少などのさまざまな問題を抱えており、少しでも収益を伸ばすためのより深い分析が必要でした。しかし、公立病院の事務職員は数年で異動を繰り返すため、担当者ひとりが深くまで病院の経営を追求していくことは困難です。誰もが病院経営の状況を時系列に把握できるツールの必要性を感じていました。
MDV社のDPC分析システム「EVE」は平成21年4月のDPC請求開始と共に導入していましたが、より具体的な症例単位での収益状況や、外来から入院のつながりなどを分析するために「Medical Code」を導入しました。
選定のポイント
当院は何年も前から、より効率的な病院経営を行うためには原価計算が必要であると感じ、分析システムをいくつも見てきました。
その中で「Medical Code」を選んだ決定的な決め手は、一方通行の原価計算だけに留まらず、課題への取り組み結果を時系列に確認できる、PDCAサイクルを回すことが可能であるという点でした。今まで担当者が時間をかけてきたものが、データを取込むだけでいつでも誰でも確認することが可能です。
さらに決め手となったのは、良い意味で、完成されたシステムではなく成長中のシステムだという点です。サポート体制が充実しているので、ユーザの要望がタイムリーにシステムに反映されるのです。「Medical Code」はまさに、ユーザと一緒に成長しているシステムと言えるでしょう。
導入効果と今後の展望
「Medical Code」を導入してまもなくのことですが、「前年度に比べて患者数が減少しているにもかかわらず薬剤費が増加しているので、外来化学療法分析を合わせて調べて欲しいと」依頼を受けました。調べてみると、薬価ベースで年間約4,500万円も薬剤費が増加しており、その原因がリウマチ系薬剤の増加だと判明しました。また、外来化学療法の件数も増大していて飽和状態であること、外来化学療法患者一人当りの平均収入金額では内科のリウマチ系が多いことがわかりました。さらに、「Medical Code」で外来化学療法の原価計算による収益を調べたところ、内科で外来化学療法の1件当たりの平均収益は約26,000円出ていることが明らかになったのです。
このように、「Medical Code」で細部まで分析することにより、今まで「なんとなく」という感覚で把握していたことが具体的な数値として可視化することができるようになりました。また、経営状況を多面的に可視化できるので、説得力のある資料を作成できるというのも助かっている点です。
関連製品
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