初期段階の2型糖尿病における心不全および慢性腎臓病の発現は死亡リスクの上昇と関連する:日本のリアルワールド病院請求データベースの解析
Takashi Kadowaki, Issei Komuro, Naru Morita, Hiroki Akiyama, Yoko Kidani & Toshitaka Yajima
題名 | Manifestation of Heart Failure and Chronic Kidney Disease are Associated with Increased Mortality Risk in Early Stages of Type 2 Diabetes Mellitus: Analysis of a Japanese Real-World Hospital Claims Database |
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著者 | Takashi Kadowaki, Issei Komuro, Naru Morita, Hiroki Akiyama, Yoko Kidani & Toshitaka Yajima |
出典 | Diabetes Therapy |
領域 | 2型糖尿病 |
Manifestation of Heart Failure and Chronic Kidney Disease are Associated with Increased Mortality Risk in Early Stages of Type 2 Diabetes Mellitus: Analysis of a Japanese Real-World Hospital Claims Database – PubMed
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35006534/
背景
心血管や腎臓の合併症の既往がない2型糖尿病(T2DM)患者(すなわちT2DMの初期段階)において、併存疾患の初期発現と死亡リスクへの影響を非T2DM患者と比較して評価した。
方法
日本の病院請求データベースを用いてレトロスペクティブ・コホート研究を実施した。T2DM患者と年齢・性別をマッチさせた非T2DM患者(1:2マッチ)との間で、合併症(慢性腎臓病[CKD]、心不全[HF]、心筋梗塞[MI]、末梢動脈疾患[PAD]、脳卒中)の発生率と死亡率リスクを比較検討した。
結果
本研究で評価した併存疾患のうち、CKDまたはHFは、T2DM患者(n = 426,186)において最も頻繁に初発症状を示し、その発生率は非T2DM患者(n = 1,018,609)の2.02倍であった。死亡率もT2DM患者の方が、非T2DM患者よりも高くハザード比は1.73であった。T2DMの有無にかかわらず、CKDやHFは、MI、PAD、脳卒中の存在に比べ、より大きな死亡リスクと関連していた。
結論
CKDまたはHFの高い発生率は、非T2DM患者と比較して、初期段階にあるT2DM患者の死亡リスクの増大の一因となり得る。これらの知見は、T2DM患者の予後を改善するために、CKDとHFの予防/治療のための早期介入の重要性を強調するものである。