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DPC制度とは?利点や計算方法について解説 #063

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DPC制度とは、急性期入院医療を対象とする診断群分類に基づく1日あたりの包括支払制度を意味します。医療関係者であれば耳にすることが多いものの、詳しくは分からない人もいるでしょう。

そこで本記事では、DPC制度の概要や利点や計算方法などを分かりやすく解説します。


DPC制度とは?

DPC制度(DPC/PDPS:Diagnosis Procedure Combination / Per-Diem Payment System)は2003年度に特定機能病院から試行的に導入された、診断群分類に基づく1日あたりの包括支払制度のことです。(※)

入院医療費は、包括算定部分と出来高算定部分、特定入院料、食事代、自費分の合計となり、包括算定には入院基本料や投薬、注射、検査、画像診断、処置が含まれます。手術や麻酔、リハビリテーションなどは出来高算定となります。

※出典:厚生労働省「DPC 制度(DPC/PDPS※)の概要と基本的な考え方」
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000105vx-att/2r98520000010612.pdf  (入手日付2023/05/10)

DPC制度導入の目的

DPC制度が導入された目的の一つは、医療費の適正化です。DPC制度の導入前は、疾患や病態が同じ患者であっても、施設や担当医によって入院期間や治療内容、さらに医療費にもばらつきがありました。

この問題を解消するために、退院患者のカルテやレセプトなどのデータを分析し、標準的な治療内容や医療費を診療報酬に反映させ、ばらつきを改善してきたのです。

DPC制度に参加している病院

DPCの診断群分類点数表に基づいて請求しているのは、すべての医療機関ではありません。DPC制度に参加している病院は、DPC対象病院とDPC準備病院の2種類です。

DPC対象病院では、診断群分類(DPC)電子点数表に基づいて請求します。一方、DPC準備病院では、医科診療報酬点数表に基づいて出来高で請求します。これはDPC病院以外の医療機関と同様です。

一般的にDPC病院と呼ばれる病院はDPC対象病院を指し、DPC準備病院はDPC対象となる前の段階の病院を指します。

DPC制度を導入することによる利点

DPC制度を導入することでどのような利点があるのでしょうか。ここからは患者側・病院側それぞれの利点について解説します。

患者側の利点

患者側にとっての利点としては、まず医療費が安くなることが挙げられます。DPC制度では出来高算定方式のように治療内容によって医療費が高くなるわけではなく、1日あたりの定額制のため、仮に治療で薬の量が増えても医療費は高くなりません。

また、医療の適正化によって過剰な投薬や入院を避けやすくなる点もメリットです。

病院側の利点

病院側の利点の一つが、医療の質を一定に保てる点です。さらに、DPC制度の導入によって、病院側の診療報酬が多くなることもあるでしょう。現在の厚生労働省の診療報酬制度であれば、急性期病院はDPC制度を導入した方が、出来高算定方式よりも利益が多くなることが分かっています。

DPCによる計算方法

DPCによる計算方法とは?

従来の出来高算定方式では、それぞれの医療行為に対して医療費が計算されていましたが、DPC制度では、出来高評価と包括評価を組み合わせた計算が行われます。

具体的には、入院基本料、投薬、注射、検査、画像診断、処置は包括評価に変更され、「1日あたりの定額点数×入院日数」で算定します。手術、麻酔、リハビリなどは出来高評価のままです。また、食事代は従来どおりの算定方法となります。

日本の医療制度を変えるDPC制度

DPC制度は、医療費の適正化などを目的に導入された制度です。患者側にとっては医療費の負担が減るだけではなく、治療内容の適正化などが期待される制度である一方、病院によっては病床の稼働率が低下することによる経営不安もある制度です。
また、患者によっては十分な治療が受けられない可能性もあります。

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