心房細動と冠動脈疾患を合併した日本人患者における経口抗凝固薬の実臨床におけるアウトカム
Yijiao Chen, Xiaoqian Gong, Haikun Bao
題名 | Real-world clinical outcomes of oral anticoagulants among Japanese patients with atrial fibrillation and concomitant coronary artery disease |
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著者 | Yijiao Chen, Xiaoqian Gong, Haikun Bao |
出典 | IJC Heart & Vasculature |
領域 | 心房細動(AF)、冠動脈疾患(CAD) |
Int J Cardiol Heart Vasc. 2023 Nov 2:49:101285. doi: 10.1016/j.ijcha.2023.101285
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10550461/
背景
進行したパーキンソン病(PD)患者におけるレボドパの処方量は、日本では欧米に比べて一般的に低用量であるが、日本のPD診療ガイドラインでは疾患の進行に伴って投与量を増やすことが推奨されている。しかし、臨床現場における進行PD患者のレボドパ処方に関するデータは限られている。
方法
本レトロスペクティブ観察研究では、メディカル・データ・ビジョン株式会社のデータベースに登録されている入院患者についてのDPCデータを用いて、日本における進行PD患者の薬剤使用パターンを分析した。研究の対象は、2008年4月1日から2018年11月30日までの間に、異なる2四半期でPDに関連する請求が2件以上あり、退院時に10項目の日常生活動作スコアが60点未満の患者とした。同スコアを進行PDの代理指標とした。主要評価項目は、指標となる入院時のレボドパの処方量とした。他のPD治療薬(PDに適応のある薬)および非PD治療薬の投与量も評価した。
結果
スクリーニングの結果、4,029例の患者が組み入れ基準を満たした(平均年齢76.9歳;83.3%が70歳以上)。指標日では74.0%がレボドパを処方されていた。患者はレボドパに加えて中央値で1種類のPD治療薬を投与されており、それぞれ27.4%と20.2%が1種類または2種類のPD治療薬を併用されていた。PD治療薬以外の薬剤は中央値で2種類であった。指標となる入院時のレボドパ投与量とL-ドパ換算用量相当量(LED)の中央値はそれぞれ418.2mg/日と634.8mg/日(体重で調整、9.0mg/kg/日と13.7mg/kg/日)であった。指標日前後5年間の各6ヵ月刻みのレボドパ投与量およびLED総投与量の中央値は、それぞれ263.9〜330.2mg/日(5.0〜6.5mg/kg/日)、402.0〜504.9mg/日(8.3〜10.1mg/kg/日)であった。
結論
本研究により、多くの日本人の進行PD患者がより高用量のレボドパによる集中的な治療を受けることが可能であることが示唆された。