重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について
今月は、昨今マダニが媒介する感染症で、致死率の高い「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の感染拡大が報じられている中、西日本中心だった感染地域は徐々に東進、昨年の国内の患者数は過去最多を更新したとのこと。
そこで国立感染症研究所のSFTS感染症発生動向調査で届出られた症例数とMDVデータにおけるSFTS実患者数の月別での推移比較と、年間推移の比較を行った。
そして全国8エリアにおける同調査における地域ごとのSFTS届出症例数と、MDVデータにおける実患者数の全国8エリア別での比較を行った。
◆参考資料:
国立感染症研究所「2013年3月4日以降に届け出られたSFTS症例の発病時期(n=925,2024年1月31日現在)」
国立感染症研究所「 SFTS届出症例の届出地域(n=939, 2024年1月31日現在)」
まず、国立感染症研究所「2013年3月4日以降に届け出られたSFTS症例の発病時期(n=925,2024年1月31日現在)」とMDVデータにおける「8847704:重症熱性血小板減少症候群」実患者数推移を比較してみた。
データ対象期間: 2019年1月~2022年12月
基礎条件該当施設数:361施設
次に同期間での年間推移の比較を実施した。
年間を通しては春~夏期をピークに推移している点と、コロナ禍期に一旦減少傾向がみられた後増加傾向にある点は両データ共に確認ができた。
次に全国を8エリアに分け地域別の疾患状況を集計した。
国立感染症研究所「 SFTS届出症例の届出地域(n=939, 2024年1月31日現在)」よりMDVにて算出
SFTS届出症例の届出地域の全国エリア別集計
対象期間:2013年3月~2024年1月
MDVデータより重症熱性血小板減少症候群実患者数全国8エリア別集計結果
対象期間:2013年3月~2024年1月
エリア構成区分
【北海道】北海道
【東北】青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県
【関東】茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
【中部】新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県
【近畿】三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
【中国】鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
【四国】徳島県、香川県、愛媛県、高知県
【九州・沖縄】福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
これにより、本疾患の西日本中心な状況も確認することができた。
※本記事は2024年6月3日付で公開されたものです。
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