2017年以降のデング熱における国内患者数年別推移の比較
デング熱は蚊が媒介する感染症で、急激な発熱で発症し、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などの症状がみられる。通常、発症後2~7日で解熱し、発疹は解熱時期に出現するが、患者の一部は、まれに重症化してデング出血熱やデングショック症候群を発症することがあり、早期に適切な治療が行われなければ死に至ることがある。
世界各地では今年も猛威を振るっており、日本では現在流行には至っていないが、過去2014年には70年ぶりの国内感染者が確認され、代々木公園など都内を中心に、全国160人以上の感染者を出した。
訪日外国人(インバウンド)の増加による影響とも言われているが、殺虫剤がきかないネッタイシマカが侵入する可能性もあり、今年の夏は日本でも更にデング熱の流行があり得ると言われている。
そこで国立感染症研究所のデング熱感染症発生動向調査で届出られた症例数とMDVデータにおけるデング熱実患者数の年別推移の比較を行った。
参考資料:
・グラフ/国立感染症研究所 感染症発生動向調査の『第2-1表報告数,全全数把握対象疾患・感染地域・都道府県・週別(2017年~2022年)』
https://www.niid.go.jp/niid/ja/allarticles/surveillance/2270-idwr/nenpou/12553-idwr-nenpo2022.html
・デング熱定義/厚生労働省HP内『健康・医療:デング熱について』のページより引用
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000131101.html
グラフ/国立感染症研究所 感染症発生動向調査の「第2-1表 報告数,全全数把握対象疾患・感染地域・都道府県・週別(2017年~2022年)」をもとに、当社が独自に作成した全国感染者数データ
データ対象期間:2017年1月~2023年12月
指定年月のデータが全て揃っている病院のみ
基礎条件該当施設数:73施設
国立感染症研究所・MDVデータ共に2019年感染者数がピークであり、2020年以降はコロナウイルス感染拡大によって海外への渡航なども減り、感染が収束していると見られる。2022年5月から新型コロナ感染症の5類移行に伴う行動制限の解除により、海外渡航やインバウンドが増加したことなどの影響が要因の一部と思われるが、感染者数も上昇傾向にあり、MDVデータで2023年まで見ると、更に感染数の増加傾向は進んでいるようである。
※本記事は2024年7月1日付で公開されたものです。
ご要望に応じた診療データ調査分析
データベースについてや分析のご依頼など
© Medical Data Vision Co., Ltd. All Rights Reserved.