直近10年間の認知症患者数推移と地域別高齢者割合の比較、レカネマブの実施状況調査
今月の9月21日(土)は世界アルツハイマーデー。
世界保健機関(WHO)と国際アルツハイマー病協会(ADI)により、1994年から毎年9月21日をアルツハイマーを考える日として制定されており、9月はアルツハイマー・認知症への理解を深めるために世界各国で様々な取り組みが行われている。
近年では2023年9月にアルツハイマー病の新薬「レカネマブ」が日本で承認されており、また「レカネマブ」と同様の原因物質を取り除き認知症の進行を抑制する作用を持つ「ドナネマブ」も今後厚生労働省が正式承認される見通しとなっている。
そこでMDVデータで直近10年の認知症患者数の推移、8地域別の65歳以上患者数割合から2014年度と2023年度の比較、「レカネマブ」の実施病院数と患者数調査を行った。
まず、MDVデータで直近10年の認知症患者数の推移を作成した。
データ対象期間:2014年4月~2024年3月
指定年月のデータが全て揃っている病院のみ
基礎条件該当施設数:197
コロナ感染拡大により病院通院患者が減ったせいか2020年は減少しているが、認知症患者の数は年々増加していることがわかる。
次に8地域別の65歳以上患者数割合から2014年度と2023年度の比較をおこなった。
データ対象期間:2014年4月~2015年3月、2023年4月~2024年3月
指定年月のデータが全て揃っている病院のみ
基礎条件該当施設数:197
一番割合の高い東北地方では、高齢化が進み若年層の流出により高齢者の割合が増加しているため、認知症患者の割合も高くなっている可能性がある。また、人口減少や過疎化が進む中で、地域コミュニティの弱体化や高齢者の孤立が認知症の進行を促していることも考えられる。
また、最後に昨年新しく承認された「レカネマブ」の実施病院数と患者数をMDV内の最新データで見てみた。
病院数、患者数ともに増加傾向にあることが分かった。
※本記事は2024年9月2日付で公開されたものです。
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