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2019~2023年のHIV感染状況と抗HIV薬の処方動向

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厚生労働省は2023年に国内で新たに報告されたHIV感染者とエイズ患者の確定数は960人となり、前年より76人上回る結果となったと発表した。
また2024年8月28日に、HIV治療薬「ツルバダ」が、感染を防ぐための予防投与として厚生労働省に承認された。
そこで、MDVのデータで2019年~2023年のB24:詳細不明のヒト免疫不全ウイルス[HIV]病の患者数の年別推移、2023年上位の抗HIV薬を処方されている年別患者数推移、男女別で8エリア・年代の患者割合を確認してみる。

まず2019年1月~2023年12月までのMDVデータを用いてB24:詳細不明のヒト免疫不全ウイルス[HIV]病の患者数の推移を見てみた。

データ対象期間:2019年1月~2023年12月
指定年月のデータが全て揃っている病院のみ
基礎条件該当施設数:368

厚生労働省の発表と同様MDVのデータでも上昇傾向にあることが分かった。

続いて、MDVのデータで2023年上位の抗HIV薬を調べ、上位10製品の年別処方患者数推移を集計した。

データ対象期間:2019年1月~2023年12月
指定年月のデータが全て揃っている病院のみ
基礎条件該当施設数:368
対象薬剤: ATCコード J05C(抗HIVウイルス薬)

『内』ビクタルビ、『内』ドウベイト、『内』シムツーザ、『内』ピフェルトロの4剤は上昇傾向にあり、特に『内』ビクタルビは2020年以降の増加が顕著で、2023年には他の薬剤と比べて最多の処方患者数に達している。

最後に、MDVデータで男女別で8エリア・年代のHIV患者割合を集計した。

データ対象期間:2019年1月~2023年12月
指定年月のデータが全て揃っている病院のみ
基礎条件該当施設数:368

男性は20代後半から患者数が増加、40代にピークを迎えており、特に北海道と四国において患者割合が高い。全体的に40代でピークを迎えた後、50代以降の患者割合は減少していく結果となった。

データ対象期間:2019年1月~2023年12月
指定年月のデータが全て揃っている病院のみ
基礎条件該当施設数:368

地域ごとの差はそれほど大きくなく、全体的に50代から70代の間に集中している。
30代から患者数が増加し始め、50代から70代にかけて高い割合を占めた。
60代が多い北海道と30、40代が多い四国以外のエリアは70代の患者割合が高い結果となった。

男女で比較すると、男性は女性よりも若年層(30代~50代)での患者割合が高い一方、女性は高齢層(60代~80代)での患者割合が高い傾向にあることが分かった。

※本記事は2024年10月1日付で公開されたものです。

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