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看護必要度見直し 基準値増減 -19.3pt~+20.8pt
人工膝関節置換術など増加要因2020年3月26日
病院向け経営支援システムを扱うメディカル・データ・ビジョン株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:岩崎博之)は、2020年度診療報酬改定で、一般病棟用の急性期一般入院料を算定するために必要な重症度、医療・看護必要度(以下、「看護必要度」)の評価項目や判定基準が見直されることから、病院にどれくらい影響を与えるかを、当社のレポートサービス「MDV四半期サマリー」の号外版「看護必要度シミュレーション」を利用している550病院を対象に試算しました。その結果、看護必要度Ⅰを選択している病院の改定後の該当患者割合(以下、「基準値」)の平均は34.0%(現行34.1%)で、 19.3ポイント(pt)減少する病院と20.8pt増加する病院があり、病院ごとに影響が大きく異なることがわかりました。また、看護必要度Ⅱを選択している病院への影響については改定後の基準値の平均が35.2%(現行32.0%)、増減の幅は-11.8pt ~+13.6ptとなりました。
基準値が増加する要因としては、救急患者の評価が充実し、看護必要度Ⅰを選択している病院で「救急搬送後の入院」の評価期間がこれまでの2日間から5日間に延長されたり、看護必要度Ⅱを選択している病院で「救急医療管理加算または夜間休日救急搬送医学管理料を算定した患者」が新たに評価されたりすることや、手術の評価日数が実績を踏まえて延長されたこと(例:「骨の手術:5日間 ⇒ 11日間」など )、入院での実施割合が9割以上の手術および検査が評価対象に新たに追加されたことが挙げられます。特に筋骨格系疾患に対し人工膝関節置換術などを実施する整形外科で基準値の増加が見られました。また、基準値の減少については、看護必要度Ⅰ・Ⅱとも、判定基準から「B14またはB15に該当、かつ、A得点1点以上かつB得点3点以上」が削除されたことが要因として考えられ、特に誤嚥性肺炎などの呼吸器系疾患を扱う呼吸器内科で、基準値の減少が見られました。
今回の試算で、看護必要度Ⅰを選択し同入院料1を算定している病院(323病院)のうち16%が、改定後に要件を満たせないことが分かりました。また、看護必要度Ⅱで同入院料1を算定している病院(103病院)は6%が要件を下回ることが分かりました。影響を受ける病院は4月以降、要件変更への対応が必要となります。当社では診療報酬改定対策サービスの一つとして18日、「看護必要度シミュレーション」を提供しました。これを利用することで病院は自院の看護必要度Ⅰ・Ⅱの現状と改定後のシミュレーション結果を数値で把握することが可能となります。要件に満たない病院は、自院が地域に提供すべき医療を明確にしながら、病床機能を見直すかどうかなどの経営判断を迫られそうです。
<本件に関するお問い合せ先>
メディカル・データ・ビジョン株式会社
担当 : 広報 君塚・赤羽
MAIL : pr@mdv.co.jp
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